よるのないくに2 の面白さを語る(戦闘編)
※微ネタバレ
ゲームプレイ部分のレビューです。ダイレクトマーケティング記事。
主に戦闘システムについて。未だに周回している人が語ります。
やられる前にやれ!
味方NPCと連携し、危険な敵を殲滅する!!
状況判断とリソース管理が楽しいアクションゲーム!!!
キミもいますぐ(2週目で)体感しろ!!!!
・秀逸なリリィ(味方NPC)システム
このリリィという相棒NPC、頭が良い。
敵の攻撃はちゃんと回避する、きちんと火力がある、連携することに意義がある、ある程度指示を聞く、行動方針(AI)が分かり易い…
などなど、すばらしく優秀な味方である。
反面、リリィの体力がゼロになると、ゲームオーバーになる。回避が得意といっても、大量の敵に囲まれれば、対処しきれない。
アクションゲームは、非常にマンネリ化しやすい。
どんなに面白いステージでも、定められた形である以上、いつか飽きがきてしまう。
勝手に動きまわるリリィは、非常に良いアクセントとなっている。
また、戦闘開始・終了時、プレイアブルキャラクターであるアルーシェへボイス付きで語りかけるのも特徴的。
端的に言ってしまえば、戦闘が終わる度に褒めてくれる(もちろんアルーシェを)。
リリィは勝手に動く。しかし、動きに法則性はある。
ある程度は、リリィの行動を予測できる。誘導も可能。
命令によって、リリィのAIパターンを4つの中から、いつでも自由に変えることもできる。
そのため、「俺のゲームプレイをめちゃくちゃにされた!」とイラつかされることは少ない。
リリィは、「1度だけ自キャラクターの死亡を防ぐ」など、役立つスキルを持っている。
こうして、プレイヤーの好感度を稼いでいるのも、うまい。
・ダブルアタックシステムが秀逸
個人的に、このゲームのキモであり、最大の功績といえるシステム。
ダブルアタック(リリィと同じ敵を攻撃する事)すると、ゲージが溜まっていく。
ゲージを使って発動できる必殺技、リリィバースト。
敵を安全に一掃できる攻撃手段として重宝する。
また、リリィによっては、ダブルアタックを数回行うことで、ダブルチェイスと呼ばれる技が発動できる。
ダブルチェイスは、『条件を満たしたらすぐ発動しなければならない』という縛りはある。
しかし、リリィバーストに匹敵する優秀な攻撃手段だ。
ダブルアタックの秀逸な点として、「ただ攻撃しているだけでは、発動することが難しい」ことがあげられる。
つまり、「リリィが、どの敵をいつ攻撃するのか?」「そのとき、自キャラクターは、攻撃できる状況なのか?」といった事を考慮して、立ち回る必要がある。
「敵をよく見る」のはアクションゲームの基本だ。
『よるのないくに2』は、さらに「味方もよく見る」必要がある。
「今どこを見るべきなのか?敵か味方か?」と判断する楽しさが生まれている。
・リソース管理が楽しい
アクションゲームでは、切り抜けるのが難しい状況になってしまう事がある。ひどい場合には、敵の行動パターンという運要素だけで『詰み』になってしまうケースもよくみられる。
しかし、『よるのないくに2』は、この問題をうまく解決している。
リリィバースト、ダブチェイス、リリィ/従魔スキル・・・。
豊富で強力なリソース消費行動によって、『よるのないくに2』では、難しい状況をクリアしている。
さらに、リソース管理の楽しさを加えることに成功している。
『よるのないくに2』は、「やばい敵は、確実にやばい」「リソースは複数あるうえ、どれも復活する」という二つの側面を持っているため、気持ちよくリソースを使っていくことができる。
また、リソースを消費して行動するのが、従魔やリリィであることも特徴的だ。
従魔が倒れた場合、一定時間後に復活するまで、従魔が扱うスキルは使えなくなる。
ほとんどのリソースは、時間経過によって、少しずつ回復する。
MPを温存しておくべきか、倒れないうちに消費しておくべきか。
面白い駆け引きが存在している。
・敵キャラクターのAIが秀逸
実は、敵の行動にも法則性がある。
たとえば、「ジャイアント」という敵は、自キャラクターしか狙わない。
いくらリリィや従魔が横切っても、自キャラクターに向かって歩き続けるだけだ。
このように、『よるのないくに2』では、敵の種類ごとに定められた法則がある。
出現した敵の組み合わせを見て、「あの敵に優先的に対処すべき」「この敵は、別に放っておいてもいい」といったことを、予測できる。
また、敵キャラクターの種類も豊富だ。
マイナスポイント
・難易度「イージー」「ノーマル」の敵キャラクターが柔らかすぎる。
・難易度「エクストリーム(最高難易度)」が1週目に存在しない
このゲームの評価を低くしてしまった原因(と勝手に思っている)。
『よるのないくに2』は、難易度を選択できる。
しかし、1週目で選べる「イージー」「ノーマル」は、致命的な欠陥を抱えている。
「敵キャラクターの体力が低すぎる」のだ。
また、敵キャラクターの火力も、そこまで高くはない。
すると、どうなるか?
「ただ通常攻撃を連打するだけのゲーム」となる。
リリィと連携したり、従魔スキルを使う必要などない。
もちろん、闇雲にボタン連打すれば、隙が生まれ、反撃を食らう。
しかし、敵の火力が低いので、余裕でダメージ勝ちできる。
せっかくのシステムが息をしていない。
まだ難易度「イージー」だけなら、「ストーリーが見たいプレイヤーのため」と擁護できるのだが、「ノーマル」までこの有様だ。
たいていの人は、本番ともいえる2週目の難易度「エクストリーム」をプレイすることなく、やめてしまうだろう。
(難易度ノーマルでも、終盤は、そこそこ敵が堅く火力もある。)
・ボスのギミックが昇華しきれていない
アクションゲームのボスは、どうしてもワンパターンに陥りがちだ。
そのため、何かしらの特殊なルールを導入し、プレイヤーに対処させる解決策がよくとられる。
『よるのないくに2』でも、この方法がとられている。
例えば、あるボスは「攻撃の届かない場所に移動し、そこから射撃してくる。ボスの弾を剣で撃ち返すことでダメージを与えられる。」というギミックが取り入れられている。
良いギミックだ。
しかし、残念ながら、基本システムとの親和性が薄い。
「リリィや従魔といった味方を絡めた戦闘」という基本と乖離しすぎていて、ここだけ別のゲームとなっている。
また、弾を跳ね返す判定が見た目通りではない等、細かなクオリティも残念なところがある。
後にリリィとなるキャラクターと戦う展開も多い。
しかし、モーションがリリィの時ほぼそのままで、隙が少ないうえ、ワンパターン。
スーパアーマーも発動しており、のけぞらない。
そのため、1ヒット⇒逃げるループを繰り返すことになる。
とはいえ、面白い戦いができるボスがいないわけではない。
最序盤に出てくるアイツはギミックと戦闘がうまく融合している。再戦のマンネリ回避にとられている方法も、非常に良い出来だ。
また、出来がよろしくないボスに関しても、「リソースを段階的に吐いて押し切る」というプレイングを楽しむ場としては、なかなかよくできている。
~総括~
1:敵編成を見て、どう立ち回るか判断する。
2:リリィの動きを見て、ダブルアタックを狙う。
3:敵を見て、攻撃を回避したり、先に倒し切る。
4: リソースを吐いて、敵を一掃する。
…等々。状況判断を楽しめるゲームといえる。
1週目クリアという高い壁はある。
しかし、これほど有能な味方NPCを連れて、状況判断を楽しめる一人用アクションゲーム。ほぼ唯一無二、オンリーワンだ。
また、月並みな言葉になってしまうが、BGM・世界観・ビジュアルの質が高く、ただ走っているだけでも、幻想的な楽しさがある。
何か一つでも刺されば、ぜひプレイしてみてほしい。
特に2週目にえらべる難易度「エクストリーム」を・・・。
誰か戦闘システムをオマージュしてゲーム作ってください